富山県内で新型コロナウイルスの感染が再び拡大し始め、7月以降には感染者は100人超え、8月にはカラオケができる飲食店で小規模なクラスターが発生するなどして富山県内では「第2波」が発生している可能性もあるとみています。

8月22日現在での富山県の感染者累計は338人、感染経路が不明な人も出てきて今後も引き続き警戒が必要となっています。

感染経路が不明というのは、県外にも行っていないしどこで誰から感染したかもわからないということ。
これについては感染場所や原因が特定できないため注意のしようがないということがあり、対策を取るのが非常に難しいという印象があります。

だからといって対策をしない、しても無駄ということではなく、これからはどんなに手洗いや消毒、うがいなど感染対策をおこなっていても、ある日突然「濃厚接触者」もしくは「感染者」になる可能性は誰にでもあるということを意識しておかなくてはいけなくなってくるということだと思います。

引き続き、感染予防対策を徹底しながらも、自分の体調のささいな変化を見逃さないように日々を過ごしていきましょう。

さて、ここからが本題ですが「濃厚接触者」になってしまった場合は一体どうなるのか、どんな流れで検査を受けることになるのかまた「濃厚接触者」になったときには
どんな準備をしておくと良いのかということについて実際に「濃厚接触者」となり、PCR検査を受けた私の経験をもとにその経験談を皆さんにお伝えしたいと思います。

ぜひ参考にして、いざというときにパニックにならないよう準備しておいて頂ければ幸いです。また、今回はあくまで私の経験した一例であり全てがこれに当てはまるわけではないということをご了承ください。




濃厚接触者とは

厚生労働省によるホームページによる濃厚接触者の定義は以下の通り

発症の2日前から1メートル以内を目安に、感染予防なしで15分以上接触した人



私の場合は職場の同僚が、仕事中に熱っぽいと訴えてきたのが夕方の18時半前だったと記憶しているのですが、すぐに熱を計らせたところ36.9℃でした。

念のため2時間後にもう一度計らせたら37.1℃まで体温が上がっており、マスクをしていたのですが、鼻から上のおでこのあたりまでは顔色が真っ白だったため、早急に帰るように促しました。微熱のはじめだったのですが、正しい判断が出来たのは、職場で体調不良者に対する危機管理がキッチリおこなわれていたことが大きかったと思います。このご時世ですから、会社はきちんとした対応を定めておかなかればならないと感じました。

また、同僚が「熱っぽいかも…」とちゃんと言える環境を作ってあげられていたことに、ホッと胸をなでおろしました。

コロナウイルスに感染したかも…と思ってもなかなか言い出しにくい世の中ですが、温かい世界を1人1人が意識して作り、全員が一丸となって「今」を乗り切っていきましょう。

同僚が次の日の検温で38.5℃を記録し、病院の指示でPCR検査を受けたところ「陽性」だったため、その瞬間私は「濃厚接触者」になりました。

「濃厚接触者」の定義にあるように、仕事前に食堂という同じ空間で(席は2つ空きくらい)食事中だったのでマスクをせずに会話をした記憶あり。食堂に併設されている喫煙ブース内でも近い距離でマスク無しで会話をしていたので、そこにいた従業員は全員「濃厚接触者」という定義に当てはまりました。




検査までの流れ

「濃厚接触者」となった従業員は全員自宅待機となり、その後は保健所からの連絡を待つことになります。会社が保健所に「濃厚接触者」のリストを作り連絡先を伝えていました。

保健所からは、電話で「濃厚接触者」であるかどうかの確認の電話がかかってきて、「濃厚接触者」だと判断された場合は保健所が指定した病院でPCR検査を受けることになります。

「濃厚接触者」である私たちはもちろん、それ以外の従業員も全て会社の意向によりPCR検査を受けることになったのですが、住んでいる地域によっては指定される病院や検査方法が違いました。

まず、私が行った病院では長い綿棒を鼻に突っ込みグリグリと擦られる検査方法でしたが、違う病院で検査を受けた従業員は唾液を取る検査方法だったということでした。

調べてみたところ、現在は2通りのPCR検査があるらしく、唾液をサンプルとしたPCR検査は6月に保険認可されたものだそうです。
唾液の検査に関しては、発症から9日以内の人限定となっていて、10日を過ぎるとウイルスが減っていくからとのこと。

私の場合はドライブスルー方式の検査で、車に乗ったまま検査を受けたのですが、炎天下のなかで検査をしてくださった医療従事者のかたには本当に頭が下がる思いでした。

※発熱がなく、無症状だけど、仕事の都合で海外や県外に行く・帰省や仕事の関係などの理由で検査を受けたい方はコチラのクリニックが参考になるかと思います。
PCR検査の自費は25000円(税込み)とのこと。




自宅待機で困ったこと

「濃厚接触者」となった瞬間、私は自宅の部屋から出ることが出来なくなりました。なぜなら家には高齢の両親とペット(猫が3匹)いたからです。
(猫にもコロナウイルスが感染するという旨の記事が東京大学医科学研究所のホームページに記載されていました)

検査を受けてから結果が出るまでの3日間は全く部屋から出ずに、両親も猫も部屋に近づかないようにと伝えました。
両親との連絡は全て携帯を使ってのやりとりにするようにしました。携帯が普及している時代で本当に良かったと思います。

トイレに行く時もマスク着用、昼食は宅配(ウーバーイーツ)で接触を避け玄関に置いてもらう、夜は親に何か買ってきてもらい部屋の近くに置いてもらう、
タオルは使ったら両親の手に触れないように隔離して置いておくなど、かなりピリピリしていました。
調べたら、食器や洗濯物については、一緒に洗っても大丈夫とのことだったのですが、念には念を…ということに越したことはありません。

友人が必要なものを買ってきてくれると言ってくれたので、飲み物を多めに買ってきてもらい家のドアノブに掛けてもらいました。

飲み物を冷蔵庫に取りに行くと、両親と接触するかもしれないと思うと使うことができず、温いドリンクを部屋でひたすら飲んでいました。

やはり1番困るのは「食事」だったと思います。1人暮らしの同僚などはスーパーやコンビニにも行けない状況が急に来た訳ですからとても困ったのではないでしょうか。
緊急時に助けてくれる友人や知り合いがいると良いのですが、普段から非常食は買っておいて損はないと思いました。

また、部屋から出れないということは必要な薬も買いに行くことが出来ないという事になります。私は偏頭痛持ちで日頃から解熱鎮痛薬を使用しているのですが以前コロナウイルスにはイブプロフェンが良くないという話が出回ったこともあり、イブプロフェンが入っていないタイレノールという薬を買っていました。
万が一軽症のコロナウイルスで自宅待機になったとしても、この薬は安心して使えるかもしれません。

現在ではイブプロフェンが良くないという話は信憑性がないという事でどこかに行ってしまった話ではありますが、陽性かもしれないという時にあえてリスクのあるかもしれない薬を飲む勇気はありませんよね。
部屋に引きこもるとかなりのストレスが知らないうちにかかってきますので、胃が弱い方は胃薬があったら良いかもしれません。




検査結果が出たら

検査結果が出るのは2日後と言われていたのですが、次の日に病院ではなく保健所から電話がかかってきて結果を聞かされました。

ありがたい事に結果は「陰性」だったので、全身の力が抜けホッとしました。

しかし、基本的には「陰性」だったとしても濃厚接触をしてから2週間は自宅待機になります。

なるべく外には出歩かず、富山市のホームページにある富山市健康観察チャットに登録し毎日の検温結果と体調をチャットで記入して送信する作業が必要になります。

私は自宅待機中にかなりのストレスがかかったみたいで胃腸の調子が悪くなり、かかりつけのクリニックに薬を貰いに行きたかったのですが、保健所に確認したところ基本的には行かない方が良いとのことでした。

どうしても我慢できない時はかかりつけのクリニックに予め電話で問い合わせをして了承してもらってから行く形になるかと思います。くれぐれも自宅待機中に独断で医者に行くということがないよう必ず保健所に確認してください。




まとめ

「濃厚接触者」になった瞬間から、歯医者のキャンセルをはじめとしたプライベートの予定は全て取りやめました。自宅待機がこんなにもストレスがかかるとは思いませんでしたし「陽性だったらどうしよう…」という不安は結果が出るまで続きました。ありがたい事に検査の翌日に結果が出たので短い期間で済みましたが、未知のウイルスの怖さを改めて思い知らされた出来事でした。
今回のように、まさか自分がこんな事になるなんて誰しもが思っていないはずです。
「濃厚接触者」になった場合の知識は知っているのと知らないのとでは大きな差があると私は思います。ぜひ参考にして頂き準備を整え突然の出来事が起こってもパニックにならずに冷静な対処に努めてください。
また、食料・日用品の買い占め行為や新型コロナウイルスの「陽性者」に対しての批判などはやめ、ぜひ皆で力を合わせてこの時代を乗り切っていきましょう。
この記事が皆さんの参考程度になれば幸いです。